図柄表：マルタ十字型紋章 図柄裏：表彰銘文 発行地：ドイツ第三帝国 発行年：1939年 発行元：Richard Simm & Söhne, Gablonz and der Neiße 銘文表：- 銘文裏：Für Kriegsverdienst 材　質：黄銅（真鍮） 直　径：32.17 mm 重　量：13.5 g 分　類：War Merit Medal First Class 状　態：PCGS Genuine UNC Details 備　考：民間人用戦功十字勲章、ベリーレア®️®️ 超入手困難品。 マルタ十字型の中に配された鉤十字を葉冠が囲むデザインが施されている。これはナチを象徴する代表的なモティーフである。真鍮製で、最初から装着用のバチカンが付けられた造りになっている。一級には裏側にピンが付いている。 本作二級章は、リボンを前合わせのボタンホールから斜めに佩用（はいよう/勲章を装着すること）した。一級章にはリボンがなく、左胸に佩用（そのため一級には裏側にピンが付いている）した。騎士章は襟元に佩用された。また、既に一級鉄十字章を授章している者の場合は右胸に佩用した。 裏側にはドイツ語で「Für Kriegsverdienst 1939（戦争功労のために。1939年）」と刻印されている。発行年の1939年は、ドイツ第三帝国の最盛期にあたる。 敗戦によってヴァイマール共和国となったドイツは、膨大な賠償金に見舞われた。結果、戦争が終わっても国民はいつまでも貧困から抜け出せずにいた。そうした先行きが見えない不安から生まれたのが第三帝国だった。 彼らは第一帝国を神聖ローマ帝国、第二帝国を鉄血宰相ビスマルク指導下のドイツ帝国とし、自分たちをその後継にあたる第三帝国と称した。第三帝国は仮想敵の存在（ユダヤ人）を明確にした上、善悪の対比という誰にでも分かりやすいシンプルな二元論構造を用いて国民を先導していった。だが、それが更なる終わりの道の始まりでもあった。 第三帝国のメダルないし勲章は第二次世界大戦後、その殆どが溶解・処分された。そうした破壊活動を奇跡的に免れ、所持者や親族が大切に保管していたものが現在でも僅かながら残っている。米国の兵士が制圧任務で赴いた際、これらを現地で回収し自国に持ち帰ったケースもある。